シュンビン株式会社様の事例紹介「新規事業のブランディングを支援する動画を制作、基礎知識や進め方の浸透に」
2025.8.21

アントレプレナーファクトリー(以下、「アンファク」)に動画コンテンツの制作をご依頼いただいた、シュンビン株式会社取締役(プロデュース部部長)小林 永様にお話を伺いました。
同社は1919年創業で、和樽製造からびん洗浄事業を経て、時代の変化に対応しながら新規事業開発に積極的に取り組んできた企業です。現在は商品企画開発とブランディングを主事業とし、「中小企業の企画部を代行する会社」として事業を展開しています。
この記事では、動画コンテンツ制作依頼前の具体的な課題や、制作プロセス、動画コンテンツがもたらした効果等について、小林様からいただいた率直なご感想を紹介します。
課題・背景 | ・ブランディングサービスの内容がお客様にうまく伝わらず、営業段階で何を提供するのかが分かりにくかった ・ブランディングワークショップ実施後、その成果がお客様の社内に浸透していかなかった |
選定基準・ポイント | ・ラーニングコンテンツに特化した会社で制作実績が豊富であること ・目的であるラーニングコンテンツ制作に合致する会社であること |
成果 | ・短期間(約2ヶ月)でブランディングの8つのプロセスを網羅した分かりやすい動画コンテンツ(8本、合計2時間)が完成した ・コア事業の説明コンテンツとして社内評価が上々、新入社員教育にも活用できる副次的効果が得られた |
ー シュンビン株式会社の事業内容と組織について教えてください。
小林様
当社の主事業は大きく分けて商品企画開発とブランディングの2つです。それに紐づく形でデジタルマーケティングのサポートや建築デザイン、商品PR、インナーブランディングなども行っています。1919年の創業時は和樽製造から始まり、その後は2002年頃までびんの洗浄事業を行っていました。時代の流れを受けてびん洗浄事業が衰退する中で、2003年からはオリジナルびん事業を、2004年ごろからはパッケージ事業などを立ち上げてきました。こうして新規事業開発に挑戦する中で、当社代表に「同じような課題を持つ企業の力になりたい」との思いが強くなり、「中小企業の企画部を代行する会社」への転換を図りました。
現在、社員数は44名です。積極的にチャレンジする組織文化があり、部門間の垣根も低いのが特徴です。代表は京セラ創業者の稲盛和夫さんが主催していた清和塾に参加していたこともあり、人間としての在り方を大切にする教育も行っています。
「ブランディング」の概念とプロセスの広い浸透を目指して
ー 動画制作をすることになった背景、当時の課題を教えてください。
小林様
当社のブランディングサービスの内容が、お客様にうまく伝わっていないという課題がありました。営業段階でサービス内容を説明しても何を提供するのかが分かりにくく、さらにブランディングワークショップの実施後も、その成果がお客様の社内になかなか浸透していきませんでした。
ワークショップでは、お客様の会社のコアメンバーと弊社のデザイナー・プランナーが協力してブランドコンセプトを作り上げますが、それをコアメンバー以外の方に浸透させることが困難でした。特に、私たちの特徴である「お客様と一緒に意見を出し合いながらブランドコンセプトを作る」ことのプロセスが伝わりにくい状況でした。
そこで、再現性のある動画コンテンツを制作し、営業ツールとしても活用することで、分かりにくいと言われがちな当社のブランディングサービスを分かりやすく伝えようと考えました。
ー 動画制作会社を選定した時のポイントを教えてください。
小林様
私たちの今回の目的がラーニングコンテンツを作ることでしたので、その目的に合致する会社にお願いできればと考えていました。その点、アンファクはラーニングコンテンツに特化した会社で制作実績も豊富にあります。ここは信頼できるとして依頼しました。
ブランディングの8つのプロセスを分かりやすく学べる動画を制作
ー 今回依頼いただいた内容を具体的に教えてください。
小林様
ブランディングの8つのプロセスと、前提条件としてのブランドの共通認識について動画にしたいと依頼しました。当社には、ブランディングワークショップの時に使用する資料があります。これを今まではワークショップの度に口頭で説明していたのですが、動画にすることで、その場に参加していないメンバーの方にも共有できます。
8つのプロセスをもう少し詳しくお話ししますと、市場環境調査から始まり、そこからの勝ち筋を考え、市場機会を絞り込み、ペルソナを設定します。ペルソナ設定では、例えばコーポレートブランドの場合、顧客ペルソナと求人ペルソナを決めたりします。それらに対してどういった独自性が発揮できるかを考えた上で、ブランドコンセプトを決定します。決定したコンセプトに基づいて、ブランド体験(カスタマージャーニー)をどうするか、Webコンテンツへの落とし込み、事業サービス内容や価格などを具体化し、最後に事業目標を決めていくという流れです。
これらブランディングの全体像とプロセスが、誰でも網羅的に理解できる内容を目指しました。
ー 動画制作依頼において、重視された点を教えてください。
小林様
なるべくスピーディーに制作を進めたい一方で、ボリュームの大きい内容を盛り込む必要がありました。そこで、両方のバランスを取ることにしました。アンファクには、動画に特別なギミックを入れるというよりも、内容の分かりやすさを重視して制作いただきました。動画は全部で8本あり、かつ、それぞれがつながりのある内容です。1本ずつ制作につまずいてしまうとどんどん期間が延びてしまうため、最初の1本目の方向性を合わせることに注力しました。
ー 重視された点について、アンファクからどのような提案がありましたか?
小林様
動画内で説明するスライド資料の構成や、ラーニングコンテンツとして効果的な見せ方についてご提案いただきました。スライド資料は、当社がワークショップで使用するものをベースに用意をしていましたが、アンファクのスタッフの方からは「動画にするならこの部分はもっとシンプルにした方がいい」「このスライドの内容が分かりづらいかもしれない」など、ラーニングコンテンツのプロ視点でのアドバイスを多々いただきました。普段我々が行なっている資料作りとは違う視点を得ることができ、大変勉強になりました。そんな意見交換を経て、スライド資料の構成もブラッシュアップされました。
また、動画内で講師を務める当社のスタッフの目線の先にプロンプターを設置するなど、撮影がスムーズに進むような配慮もいただきました。
コア事業の説明コンテンツになるとともに、新入社員教育にも
ー 制作された動画を見て、率直にどのように感じられましたか?
小林様
「短期間で、ここまでまとまった内容になったのか」と驚きました。最初の打ち合わせから納品まで、制作期間は約2ヶ月です。ブランディングの8つのプロセスが1つずつ動画化され、全部で8本、合計2時間ほどに収まっていました。大きな方向性のズレもなく、非常に助かりました。
ー 動画の視聴者からの反応を教えてください。
小林様
動画は来月(2025年8月)からお客様に提案していく予定ですが、社内での評価は上々です。当社の代表も「こういったコンテンツをどんどん活用しよう」と言っています。経営サイドとしては、ブランディングをコア事業にしていきたいという考えがあります。それに対して説明するコンテンツが少ないという問題がありましたが、今回の動画によって解決される可能性が高まりました。
また、これは副次的な効果ですが、今回の動画は新入社員が自社のサービスを理解する上でも役に立っています。社内教育としても活用でき、1つのコンテンツでいくつものメリットが得られそうです。
あらゆる業界のゼロイチを伴走支援する会社へ
ー 今後、シュンビン株式会社としてどのような課題を解決し、支援を行っていきたいとお考えでしょうか?
小林様
当社はもともと、飲料業界だけを顧客に事業を行っていましたが、現在はあらゆる業界に対応できるようになっています。人材業界、製造業、BtoB企業、食品、化粧品、自動車ディーラーなど、価値を提供できる業界が広がっています。そのきっかけになるのがブランディングです。
当社が実施するブランディングのワークショップが最も効果を発揮するのは、新しい事業を作っていくときです。今後は業界によらず、新しい事業のゼロからイチを作るところを、ブランディングの仮説を持って支援していきたいと考えています。また、当社はパッケージやWebデザイン、建築デザインまで、ブランディングコンセプトを概念で終わらせずに具体化することができます。お客様のゼロイチにしっかりと伴走し、ともに新たな価値を作り上げていきたいと思います。
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