株式会社クラレ様の事例紹介「より高い次元の安全管理へ。樹脂・化学品・繊維製造者向けの安全研修動画で効果的・効率的に人材育成」
2024.10.22
アントレプレナーファクトリー(以下、「アンファク」)に動画コンテンツの制作をご依頼いただいた、株式会社クラレ総務人事本部人材育成部の末広様にお話を伺いました。同社は1926年設立の歴史を持つ化学メーカーであり、主に樹脂・化学品や繊維の製造、販売などを行っています。「独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与すること」を使命とし、日本の化合繊業界を牽引している企業です。
行動原則として「安全はすべての礎」を掲げているほど、高レベルな安全管理を行っている同社は、より高い次元での安全管理の徹底と、研修における人的・時間的負担削減のために、動画コンテンツの制作を起案しました。
この記事では、アンファクへ動画コンテンツ制作依頼をする前の具体的な課題や、制作プロセス、動画コンテンツがもたらした効果等について、末弘様からいただいた率直なご感想を紹介します。
課題・背景 | ・より高い次元で安全管理を徹底するために研修を効果的に行いたい ・研修にかかる人的・時間的負担を軽減したい ・社内の動画制作では限界があり、手間がかかっていた |
選定基準・ポイント | ・豊富な動画制作実績があり、信頼性が高かった ・動画制作の具体的なポイントを聞き、安心感を得た |
成果 | ・受講者の講義理解度が向上し、効果的な安全教育を実施できた ・研修に丸1日かかっていた担当者の負担を軽減できた ・実際に講義を受けているかのようなリアリティのある動画を制作できた |
特長ある樹脂・化学品などで、持続的に成長するスペシャリティ化学企業へ
ー 株式会社クラレ総務人事本部人材育成部の事業内容と組織について教えてください。
末広様
当社は、「独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与すること」を使命とし、樹脂・化学品や繊維の製造、販売を行っています。世界に先駆けてPVA(ポバール)繊維ビニロンの工業化に成功するなど、日本における化合繊産業の草創期を切り開いてまいりました。現在では、高い世界シェアをもつ特長ある樹脂・化学品を数多く揃え、持続的に成長するスペシャリティ化学企業を目指しています。
総務人事本部人材育成部研修グループは、国内会社のコーポレート部門として、全社共通の人材育成を担当しています。工場で働く技術職をはじめ、総合職、管理職などの階層別の研修や、キャリア講座の支援も行っています。
当社では「この会社で自分を伸ばしていきたい」という向上心のある従業員を募集しており、そのために人材育成に更に注力していきたいと考えています。
安全管理の更なる向上のための教育を、効果的かつ効率的に行いたい
ー 動画コンテンツ制作をすることになった背景、当時の課題を教えてください。
末広様
当社は行動原則に「安全はすべての礎」を掲げています。高い安全管理を徹底しており、安心して勤務できる職場環境の実現を目指しています。作業における安全管理をより高いレベルで行うためには、基本的な道具や保護具の使い方など、安全管理の基礎の部分から教育が必要だと感じました。
そのために、入社する全ての従業員に教育を徹底したいものですが、雇用の流動化に伴い中途入社が増えており、入社したタイミングに合わせて毎月のように安全研修を行うのは教育担当者の負担となります。そこで、研修にかかる人的負担を減らすためにも動画を制作し、まずは動画を見てもらうことで、効率的かつ質の高い研修ができると考えました。
以前、社内でPower Pointのスライドに音声を吹き込んだ動画制作を試みましたが、視覚・聴覚から受け取る情報に限りがあるため、リアリティに欠け没入感が得られにくく「受講者との距離感が遠い」と感じていました。さらに、内製化では編集に手間がかかるため、専門の制作会社に委託した方が効率的だと考えました。
動画制作会社を選定した時のポイントを教えてください
ー 動画コンテンツ制作のプロセスを教えてください。
末広様
今回のご依頼とは別に、40〜50代向けのキャリア研修を検討していた際に、アンファクの動画ラーニングについて知り、実際に動画コンテンツを利用しました。同社のWebサイトを見ると、数多くのコンテンツを制作していることが分かり、さらに他社からの依頼にも応じ、独自のコンテンツ制作にも協力いただけることを知りました。
さまざまな動画制作会社がある中で、アンファクに決めた大きなポイントは信頼性の高さです。動画の制作事例の多さや、制作ポイントの説明を受けて安心感を持ちました。また、大阪に制作スタッフがおり、岡山県倉敷市に工場や人材育成部がある当社と距離的に近く、制作におけるやり取りがスムーズだと感じたのも選定理由の1つです。
マイクロラーニングで、集中力が持続しやすい動画コンテンツに
ー 動画コンテンツ制作の期間を教えてください。
末広様
新入社員の入社前に研修動画を間に合わせたいと思い、アンファクに相談しました。納品まで約5ヶ月でしたが、途中2ヶ月強は社内の手続きや内容検討に時間を要したため、実質わずか2ヶ月半程度で制作していただきました。
ー 今回依頼いただいた内容を具体的に教えてください。
末広様
「基本動作講座」というテーマで、作業における基本的な動作を学習する動画です。対面で行ってきた安全管理の研修内容をベースに動画を制作していただきました。もともとの研修で使用していた約150枚のスライドを基本に、新たに撮影や編集を行い内容をブラッシュアップして動画コンテンツにしていただきました。
ー 動画制作依頼において、重視された点を教えてください。
末広様
今回ご依頼した「基本動作講座」は、実習ではなく知識の習得がメインになり、内容が多岐に渡ります。そのため、長時間の講座でも受講者が最後まで飽きずに集中して視聴でき、基本動作が身に付けられるコンテンツにして欲しいとアンファクにリクエストしました。
ー 重視された点について、アンファクからどのような提案がありましたか?
末広様
受講者の集中力が持続しやすいように、10分以内の短時間の動画で構成したマイクロラーニングを提案いただきました。さらに、動画内で字幕やナレーションを適度に挿入するほか、スライドだけではなく実際に良い動作・悪い動作の見本をVTRに織り込んでもらいました。例えば悪い見本にはブザー音のような効果的な音声を入れるなど、動画制作者ならではの視点があったのが良かったですね。
また、社内の動画撮影ではカメラを引き気味で撮影しがちでしたが、アンファクによる撮影では、注視すべき箇所が分かりやすいようにズームインを行うなど、効果的なカメラワークにおいても提案がありました。
動画制作会社の視点から積極的に提案をいただいたので、不安なくお任せできました。撮影や編集は全てアンファクにお任せする形で、当社は撮影場所を提供したのみです。プロフェッショナルなサポートにより、高品質な動画コンテンツを効率的に制作できました。
受講者の理解度向上と研修担当者の負担軽減を実現
ー 完成された動画を見て、率直にどのように感じられましたか?
末広様
スライドと講師が一緒に映っていることで視覚的なインパクトが大きく、実際にリアルで講義を受けているような感覚が得られました。さらに、PowerPointのスライドに音声を吹き込んだものと比較して、より活き活きとした印象があると感じました。
ー 動画コンテンツ導入後の受講者の反応を教えてください。
末広様
「講義が非常に分かりやすかった」という声が多く寄せられました。ナレーションを適度に挿入することでポイントがより明確になり、理解度が上がったことがアンケート調査からも感じ取れます。
ー 動画コンテンツを活用した教育の効果を教えてください。
末広様
研修担当者の負担を減らし、教育にかかるコストを圧縮することができました。
動画の総視聴時間は120分ほどですが、1人の講師が全て行うと丸1日必要になります。動画撮影なら休憩を挟みながら進められるため、負担が少なく終始一定の調子で話すことができる点がメリットだと感じます。
研修では、動画視聴と保護具の扱いやヘルメットの着用といった実技演習がありますが、受講者が動画を視聴している間に研修担当者は次の作業の準備に充てられるなど、動画コンテンツの活用により研修を効率的に行えるようになりました。
また、動画コンテンツを通して新入社員に安全教育を行うことは、当社が安全管理に注力していることを社内外にアピールすることにも繋がります。
ほかにも、想定外の効果として、研修動画を全従業員が共有するクラウドにアップロードしたところ、興味のある従業員が自主的に閲覧しており、「部署内の安全教育に使用したい」という声が上がり、在籍社員の再学習にも活用されています。
海外グループ向けの動画やニーズに対応した教育環境を整備中
ー 今後、人事本部の人材育成部としてどのような社内の課題を解決し、価値提供をしていきたいとお考えでしょうか?
末広様
人材の流動性が高まっており、個々が主体的に学べる環境を整備する必要があります。一律に研修を実施する新入社員だけでなく、中途入社の社員も増えているため、従来の一斉研修だけでなく、学ぶ時間やニーズの変化に柔軟に対応できる学習環境を整備することが求められています。
今回は安全教育の動画を依頼しましたが、社内では情報セキュリティやコンプライアンスなど、業務進行にあたって学んで欲しい事項が他にもあります。そのため、社内の誰もが閲覧できる教育コンテンツを整備中です。
全体研修には社員の横の繋がりが生まれ、人間関係を構築する大きな役割があります。知識を身に付ける講義はリモートで受講し、全体研修ではグループワークやディスカッションの時間に充てるなど、併用しながら効果的に進めていきたいと考えています。
また、海外を含めたグループ会社全体への展開も検討しております。アンファクからAIによる英語や中国語への音声変換を活かした方法を提案されているので、動画制作における言語の壁にも対応できそうです。
Other Achievement
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