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マイクロラーニングとは? 社員教育のアップデート、できていますか?

ATDで話題になった“マイクロラーニング”とは?

ATD2017でバズワード第1位となった「マイクロラーニング

(aNewSpring社による調査、ATDは世界最大の人材開発系イベント)。

あれから1年半が過ぎ、日本でも徐々にマイクロラーニングの波がやってきた感じがします。
VUCAで表現される経済環境、避けられない人口減少、改革のメスが入った働き方。
企業における人材開発を取り巻く環境は、間違いなく一つの転換期を迎えています。

マイクロラーニングは、2014年にアメリカで現れ、ここ数年で一気に台頭してきた新たな学びのスタイルです。
そのエッセンスは「短時間での最適化された学習」。

変わりゆく経営環境の下で、次なる学びのスタンダードが何になるのか?

答えはまだわかりませんが、「マイクロラーニング」がその候補であることに疑う余地はないでしょう。

*各章が独立しているので、興味のある章を読んでいってください。

「意味を知りたい!」人➡『マイクロラーニングの意味』へ
「メリット/デメリットを把握したい!」人➡『マイクロラーニングのメリット・デメリット』へ
「なんでマイクロラーニング?」な人➡『マイクロラーニングが生まれた背景』へ
「具体例でイメージしたい!」人➡『マイクロラーニングの活用イメージ』へ

 

マイクロラーニングの意味

ここでマイクロラーニングの意味を確認しておきます。

マイクロラーニングとは、短い時間(1-5分程度)で細分化・独立したコンテンツを学習するラーニングスタイルです。
従来のeラーニングが、単に集合研修をデジタル化したもの(1時間程度)であるのに対して、マイクロラーニングではより短時間での学習環境を提供します。

また、1つのコンテンツはそのコンテンツだけで完結している、というのも特徴です。
つまり、30分の研修動画を5分ずつに区切ればいい、というわけではありません。

特定の目的のために必要なスキル短時間で習得しなければならない」というケースが想定されます。

コンテンツ形式としては、「動画」が主流ですが、テキストやスライドによる学習もマイクロラーニングの定義に当てはまります。例えばWeb記事の多くはマイクロラーニング・コンテンツと考えることができるでしょう。

マイクロラーニングを具体的にイメージしてみたければ「Googleデジタルワークショップ」を試してみてください。Googleアカウントを使用して無料で体験できます。

 

マイクロラーニングのメリット・デメリット

マイクロラーニングのメリットとデメリットを整理しておきましょう。

<メリット>

-学習(習慣)の定着を図れる

マイクロラーニングの最大の特徴は「短い時間で取り組める」ことです。

従来のeラーニングや集合研修のために1時間確保するのが難しくても、3分や5分程度なら学習のための時間をつくれるでしょう。短時間で済むと思えば、始めるハードルも低くて済みます。

結果、学習が習慣化し、同じ内容を反復して学習することで知識の定着も図れるのです。

-教材の制作・更新が容易

Eラーニング教材を1つ更新しようとすると結構大変です。
しかし現代はVUCA時代。知識の陳腐化は呆れる程のスピードでやってきます。
XeroxのチーフサイエンティストだったJohn Seely Brown氏によると「職務スキルの価値は5年で半減」するとされています。この年数はだんだん短くなっているとの声もあり、研修のアップデート頻度の増加は避けられません。

そこでマイクロラーニングの教材ならどうでしょう?

5分の教材をアップデートするのにかかるコストはどれくらいでしょうか?

このスピード感も、現代企業がマイクロラーニングを導入すべき理由の1つなのです。

-知識・技術を企業内に蓄積できる

かつてドラッカーが予見した知識社会。現代はまさに知識社会であり、企業が競争力を持ち続けるためには野中郁二郎氏が提唱するように知識創造企業にならなければなりません。

マイクロラーニングによって企業内の様々なナレッジをコンテンツ化しておく。

これにより、その組織にさまざまなノウハウが蓄積され、発展させていくことができるのです。

 

<デメリット>

-マイクロラーニングに向かない分野もある

マイクロラーニングには大きなメリットがありますが、その性質上どうしても向いていない分野もあります。

短時間で完結することが求められるので、複雑な理論の理解や資格取得のための勉強、また対面でのコミュニケーション訓練などはマイクロラーニングにはあまり向いていません。

-マイクロラーニングだけでは不十分な場合もある

短いコンテンツなので反復して学習できるからと言って、それですべて対応できるわけではありません。
時には集合研修でのシミュレーションやOJTと組み合わせる必要もでてくるでしょう。

-本格運用するならシステムが必要になってくる

マイクロラーニングを本格的に運用していく場合は、コンテンツを管理・配信するために「システム」を導入する必要が出てきます。

最近では、マイクロラーニングをサポートするサービスもいろいろ出ているので、それらを頼れば大丈夫ではありますが、従来とは別のコストがかかってくることは意識しなければなりません。

このように、マイクロラーニングは決して万能な学習スタイルというわけではなく、OJTや集合研修など従来の学習スタイルと組み合わせていく必要もあります。

 

マイクロラーニングが生まれた背景

マイクロラーニングがなぜ生まれたか、その背景を押さえておくことで、ベネフィットのさらなる理解を目指しましょう。

1.ミレニアル世代の性質

マイクロラーニングの背景としてよく挙げられるのが「ミレニアル世代」です。

ミレニアル世代とは、2000年以降に成人になる世代(1980~2000年頃に生まれた世代)をそれ以前の世代とは区別する呼び方です。さまざまな違いが挙げられていますが、マイクロラーニングの文脈で注目されるのは「学習に手軽さやフレキシブルさを求める」「PCよりスマホ」などの特徴です。

マイクロラーニングはこれからの企業の主戦力となるミレニアル世代に対応するためのスタイルにもなります。マイクロラーニングを用意しておくことで、ミレニアル世代の採用や即戦力化につながるのです。

2.モバイル機器・ネットワークの発達

マイクロラーニングを支えるのはスマホやタブレットなどのモバイル機器やデータ通信のためのネットワークです。

これらの技術発展によって、「いつでも、どこでも、柔軟に」学習できるスタイルが実現できるようになりました。

 

3.変化の激しい時代に適した学習スタイル

従来のeラーニングが現代の企業に適していないとされる理由はいくつかあります。

「忙しいと取り組めない」「PCの前で長時間集中できない」「変化に対応できない」。

変化の激しい時代に求められる学習スタイルとは「その時必要な知識を、短時間で、フレキシブルに学習できる」スタイルです。
そして、それに対応しているのがマイクロラーニングなのです。

 

マイクロラーニングの導入イメージ

ここでは、マイクロラーニングのベネフィットをより具体的にイメージするために「新卒教育」「管理職教育」「新技術・法律への対応」の3ケースに分けて見ていきましょう。

<新卒教育をマイクロラーニングで>

マイクロラーニングが高い価値を発揮するタイミングの1つが「新卒教育」です。

自分が新卒だったころを思い返してみてください。
覚えることが山のようにあったでしょう。

さて、これらの知識はいくつかの種類に分けられます。
「ビジネスパーソンとしての知識」「自分が携わる業務の知識」「会社に関する知識」などが挙げられるでしょう。

これらを全て集合研修で教えるのはナンセンスですし、OJTで教えられないようなことも多々あります。

例えば「ビジネスパーソンとしての知識」に含まれる「コンプライアンス」や「ビジネスマナー」。
これらを書籍のみで学習するのは難しいし新卒のモチベーション的にも微妙でしょう。

そこで活躍するのが、マイクロラーニングです。

動画でコンプライアンスの理論と実際のイメージやビジネスマナーの実践映像が提供されていれば、新卒の学習コストは大きく下がると思いませんか?
1つの項目に関しては数分で済むので、先輩社員が指導に当たれないちょっとした時間に見てもらうことも可能です。

 

<管理職教育をマイクロラーニングで>

管理職に昇進した社員は、それまでとは異なるスキルや知識、マインドセットが求められます。

しかし管理職の集合研修やOJTは難しいもの。
管理職クラスを集めようと思うと相応のコストがかかりますし、OJTは他の管理職が新しい管理職につかなければなりません。

そこでまたまた出てくるのがマイクロラーニング。
細分化されたコンテンツをそれぞれの時間が空いた時に学習していくことができます。

コストが高くなってくる上層の社員程、マイクロラーニングによって時間を効率的に使うことが重要になってくるのです。

 

<新しい技術や法律の学習をマイクロラーニングで>

新しいテクノロジー法律が出てきたとき、それらが関連する領域の社員は当然学習しなければなりません。
「勉強しといて」とセルフ学習でしょうか? 外部から専門家を招くかセミナーに出席させるなどの措置をとるでしょうか?

前者なら学習のバラつき、後者ならスケジューリングなどのコストといった問題が出てきます。
新しく出てきたテクノロジーや法律の学習は、どちらかというと同質化のための課題です。あまりコストはかけたくないでしょう。

そんな時、マイクロラーニングのコンテンツを準備できたら。

皆が同じコンテンツで学習すれば、バラつきは出にくいでしょう。学習ハードルも低いので、短時間での知識追加が期待できます。

また何度も言っていることですが、特別に時間を用意する必要はありません。

 

以上、マイクロラーニングが活用される3つのケースを見てきました。

いつでも、どこでも、柔軟に」「必要なスキル短時間で」学習できるようにするのがマイクロラーニングです。
想像力次第でさまざまな活用の形が描けるはずです。

自分の会社ならどのタイミングで、誰が、どのように活用できるか、考えてみましょう。

 

マイクロラーニングの可能性

マイクロラーニングはまだまだこれからの分野です。
ここから先、マイクロラーニングに適した人材が次々と入社してくるでしょう。
彼らは従来とは異なる学習観で、現代のスピードに対応していきます。

そのための土壌を整えるのは今なのです。